2014年3月30日日曜日

飲み込み、誤嚥

多系統萎縮症には、飲み込みにくい、誤嚥する(飲食物が誤って気管に入る)という症状がある。
私は、よく、薬がのどに引っ掛かって飲み込めなかったり、飲食物や唾液を誤嚥したりする。気管に何か入ると、当然咳き込み、苦しい。ただ、咳ができれば、気管から異物を吐き出すことができる。いずれはそれもできなくなり、肺炎を起こすらしい。
この病気がわかる前、眠っている間に唾液が気管に入り、窒息しそうになったことがある。苦しくて目が覚めると、息を吸うことができず、非常に焦る。これも誤嚥だったのだろう。
これらの症状はあるものの、長いスパンで見ると、それほど進行を感じない。ただ、若干、誤嚥する頻度が高まったと思う。
誤嚥防止のために、少しずつ食べたり、汁物にとろみをつけたりすることは、よく言われている。自分の感覚では、下を向いて飲み込むと、誤嚥しにくいようだ。

2014年3月25日火曜日

転倒防止の工夫

症状の進行に伴って、道具に頼る場面が増えてきた。まず、道具を大きく、介護保険の給付を 「受けられるもの」と、「受けられないもの」に、分けて考えたいと思う。 前者には、車椅子、歩行器、(工事で取り付ける)手摺などがある。これらの多くは、ケアマネジャーから「~を使ってみたらどうか」というようなアドハイスがあるのではないか。 一方、後者は、一般的な生活用品を自費で購入し、自分の症状に合わせて、工夫して使うものである。ここでは、後者について、私の実感を書こうと思う。

転倒を防ぐためには、バランスを崩さないことが大切だと思う。そのためには、少しでも体を安定させたい。そのような観点で、道具を選び、使ってみた。

(1)滑り止め手袋
壁を伝って歩く時の必須アイテムである。素手は意外と滑るし、単なる防寒用手袋は役に立たない。
また、同じ滑り止め手袋でも、壁面によって、滑る、滑らないといった違いがある。そのため、住まいに合ったものを選ぶ必要があると思う。
私が幾つか使ってみた中では、ショーワグローブのLite Gripが最も良かった。凹凸ある壁紙、木製ドア、ツルツルの壁面、いずれでも良くグリップする。

(2)滑り止めテープ
シンク下の扉、ヒザの高さに滑り止めテープを貼っている。例えば、口をすすぐ時、一瞬、両手を同時に使わなければなない。その時、ヒザをシンク下な当てて体を支える。ヒザの部分に滑り止めがあれば、安定感が全く違う。

(3)脱着式手すり
我が家には、玄関、トイレ、風呂場に、工事で取り付けた手すりがあるが、それ以外に、冷蔵庫の側面に、脱着式の手すりを付けている。
冷蔵庫を使う時は、片手で何かを持っていることがほとんどなので、体が大変不安定である。だから、手すりを付けた。効果は大きく、ドアの開閉や食材の出し入れなど、冷蔵庫を使う時は必ず手すりを握っている。そうすると、体が安定し、安全に作業ができる。
この手すりは、吸盤で脱着する。そのため、凹凸のない面でないと取り付けられないが、幸い、冷蔵庫の側面に取り付けることができた。吸盤が強力で、取り付けてから3ヶ月経つが、一度も外れたことがない。

(4)スノーボード用帽子
これは、転倒した時、頭部を守るために使っている。後ろにクッションが入っており、これで後頭部を保護する。
スノーボードは後ろに転倒し易いらしく、帽子もそれを考慮して作られているようだ。幸い、まだその性能を確かめる場面はないが、着用すると、安心感がある。柔らかくて被り易いので、ベッド上以外では、ほとんど被っている。


2014年3月24日月曜日

転倒

日常生活で、一番怖いのは転倒である。
私は、この1年で4回転倒している。1度は屋外で傾斜のある場所だったが、あとの3回は室内の平らな場所である。何かにつまずいたわけではなく、バランスを崩して倒れたのだ。
子供が転ぶのとは全く違う感覚だ。何の抵抗もできずに、棒が倒れるような感じで、バタッと倒れる。

転倒には、幾つかのメソッドがあるのではないかと思う。感覚的には、
①移動などで重心がずれる。
②重心のずれにより、バランスを崩す。
③バランスの崩れに耐えられない、踏ん張れない、立て直せない。
④転倒する。
こんなイメージではないかと思う。
バランスを崩すと、転倒は必至てある。だから、なるべくそうならないよう、重心をコントロールすることが大切と思う。

後ろに倒れるのが怖くて、どうしても、多少前屈みになっている。だから、視線を落とすと前に倒れやすい。視線を落とさないことが、一つのボイントだと思う。あと、頭の位置が大切である。両足の間に頭があれば、大きくバランスが崩れるリスクは小さいはずだ。

また、一度にいろいろなことをすると、バランスを崩しやすい。何かを持ちながら歩いたり、歩いている途中で方向転換したりすると、途端にバランスを崩す。歩く時は、歩くことのみに集中した方が良いと思う。私の感覚では、歩くことと方向転換は、一連の動作ではない。別動作だ。だから、歩く→止まる→方向転換する、と分けて、それぞれゆっくり行っている。

2014年3月21日金曜日

歩行

症状の進行を最も強く感じるのは、歩く時である。
1年前は、まだ杖を使って戸外を歩くことができた。しかし、今では、戸外は100%車椅子。屋内も壁を伝うか、歩行器を使わないと歩けない。
歩行困難の原因は、ふらつきである。特に、脚が思ったように動かせず、力も入らないために、バランスが取れないようだ。健康ならほとんど意識しないだろうが、歩行は、片足立ち→両足立ちの反復である。私は、両足でもふらつくので、一瞬でも片足立ちとなる歩行は困難なはずである。
そんな感じなので、壁や歩行器に頼りながら、両足を横に広げて、小股、摺り足のスタイルでゆっくり歩く。こんな状態でも、歩けている時はまたいい。頭かボーッとしたり、立ちくらみがある時は、そのまま体が動かなくなってしまう。あたかも、フリーズしてしまったかのようだ。そのような時は、無理せず、時には、家族の助けを借りて、ベッドに戻って休むようにしている。
室内でも、掴まるものがない所や狭い所は、行くことができない。おかげで?我が家の中なのに、私が行けない場所が次第に増えてしまった。

ふらつき

ふらつきは、多系統萎縮症の特徴的な症状だと思う。しかし、実際にどのように感じるかは、なかなかイメージしにくいのではないか。私自身、症状が軽い頃は、今のふらつきの感覚をイメージできなかった。
ふらつきは、歩く時だけでなく、ただ立っている時や座っている時にも起こる。ここでは、立位、座位でのふらつきについて書こうと思う。
今、私が立ち上がると、手摺などにつかまらいかぎり、ふらついて転倒してしまう。単に「ふらつき」ち表現したが、どうも幾つかの要素が重なってふらつくのではないかと思っている。
その要素とは、①脚が思うように動かせない、力が入らない、②脳がボーッととして強い眠気を感じる、③立ちくらみがして意識が薄れる、の3つである。そのうち、①の脚の症状が常にある。それだけで、立ち上がった途端にふらふらしてしまうのだが、そこに②、③の症状が重なると、立っていることも出来ない。症状が強い時には、座っていてもふらつき、時に倒れてしまう。
脳がボーッとしたり、立ちくらんたりする症状は、突然現れる。立ち上がってしばらくしてから「立ちくらみ」の症状が出ることもしばしばだ。そういう時は、何かにつかまって体を支えるか、可能なら横になって、症状が治まるのを待つ以外、方法はないようだ。

再開

ブログを再開しようと思う。
この間、時折体調を崩し、その度に気力が削がれていた。症状も進行し、介護保険の等級も、要支援2→要介護2になった。
このままいけば、遠くない将来、体の自由が利かなくなるだろう。たから、体が動くうちに、患者目線で、病気のことを書こうと思う。
考えを整理できないので、思いついたことをランダムに書くつもりだ。だから、きっと読みにくいだろう。でも、もし、同じ多系統萎縮症の患者さんはもちろん、脊髄小脳変症など、他の神経難病の患者さんの参考になることがあれば幸いである。